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フィルとティモシーの横濱アパートメント物語003 ティモシー File01

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ティモシー File001『即決の面接』

「気に入った君は採用だ」
会長のマンディーノが言った。

ティモシーは何が始まったのかと思い
「え? もう採用ですか」
と思わず口に出して言ってしまった。

 

マンディーノは
「仕事は元気な事と、声の大きいことが大事なんだよ。
あとは不動産や建築をあまり齧ってないのが良いなぁ」

「そうですか」

「いつからこれるんだい?」
「いつからって…、もうですか?」

 

ティモシーは失業保険でも貰って少しゆっくりしようと思っていたのだった。

前の仕事が忙しかったので、1歳になる息子もなかなか遊んであげることができない毎日だった。

今回、まとめて休みが取れるなら、息子を連れて実家でも行きゆっくりしようかとも思っていた。

 

マンディーノは続けた

「ベツレヘムからアパートメント販売のプロフェッショナルがコンサルタントとして来週の水曜日からウチの会社に来るんだよ。
君を入れて3人の新人をこのコンサルの先生に預けて学んでもらおうと思ってるんだ」

今日は金曜日だから、あと5日経ったら出勤と言うことだな。
ティモシーは少し考えたが
「考えるな感じろ」
ある本で読んだ、ブルースリーが映画で言っていた言葉を思い出した。

 

ずっと今まで勘に頼って生きてきた。
なんとなくこの会社の雰囲気は良いし、会長の考えてることも共感ができたので働いてみるかという気になったのだ。

妻は本当にパパのやりたい仕事だったらやればいいと思う。
と言ってくれていたので問題はないと思う。

 

「分かりました。
よろしくお願いします。
来週の水曜日に出社すればいいんですね。

「おお、決めてくれたのか。嬉しいよ」
会長のマンディーノは満面の笑みを浮かべて握手してくれた。

「ありがとうございます。
会長1つだけいいですか。
私、本当に建築も不動産も知識が無いんですが、それでも大丈夫ですか?」

 

「はははぁ
大丈夫だよ。ベツレヘムから来るドラゴンは新人を育てるのと、チームで売り上げを上げるメソッドのエキスパートだ。
真面目に取り組んでくれたら数年でプロの営業パーソンになれると思うよ」

 

そう言われた瞬間
ワクワクする気持ちと
不安な気持ちとの2つを抱えたまま
会長の面接は終わり、ティモシーの内定が決まったのだった。

 

HONESTY ALWAYS COMES FIRST