TOP > スペシャルインタビュー本郷尚②

経営者なら勉強しなければダメ

本当にアパート経営がしたいなら、少なくとも人気のあるアパートをしらみつぶしにあたってみるぐらいは当然。
ところが、市場調査なんて、したことのないオーナーがいるんです。一億円出すというのに、決める理由が「大手だから」とか。
経営ですから、経営者は勉強しなきゃダメです。関心のない人に限って、空室で困っていると相談する。それは全部自己責任ですよ。

必要な投資についての英断が分かれ道

石川:高齢のオーナーさんだと、やはり経営というところまで考えている方は少なくて、今そのアパートを資産継承する息子さんが困っています。
お父さんの時代はどこに建ててもよかったけれど、今はそうはいかない。それで、相談におみえになります。
建物の躯体はもつけれど、中は直さざるを得ないし、直さなかったら、競合に負けたりスラム化したりしてしまうんですね。

本郷:土地を持っていてせっかく建てたなら、愛着をもって、長持ちさせて欲しい。
人間とおなじで、60になってピンピンしている人とガタガタな人がいる。ほっとけばガタガタになっちゃうんですよ。

石川:でも実際は、直すために必要な投資をするとか借金をするとかを嫌がる人がいる。そこを英断することによって、先に進める。
勝ち組・負け組の「勝ち」は、“価値”をつける、「創造する“価値”組(かちぐみ)」です。

きちんと分析ができれば空室も怖くない

たとえば、駅から遠いとそれだけで「負け」ですよね。
でも、ある物件のオーナーで駅から20分という条件を解決した人がいる。彼がどうやったかというと、まず周辺環境を調べたんです。
それで、近くに病院や大学があることがわかったので、駅に駐輪場を確保して、電動付き自転車を8台提供しました。職場から徒歩圏内の看護士さんや教職員をターゲットにして、その人たちが休日に出かける際の足を確保してあげたんですね。
さらに中を綺麗にして、セキュリティーを強化して、満室にしました。
それで1年後にパッと売っちゃいましたよ。

空室が出た時、家賃を下げるより他に何かないのか。
ほとんどの方が、知恵や知識がない。マーケティングが得意なその人はできたけれど、普通は管理会社でもできません。
徒歩20分という本質的な問題は解決しているわけではないから、人気が出たときスパッと売れた。経営者であり、いい投資家だからできた、きちんと分析ができていたわけです。