フィルとティモシーの横濱アパートメント物語011 フィルFile04

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フィルとティモシーの横濱アパートメント物語
フィルFile04

 

なんで急にこんなことになるんだ…
フィルは心の中で呟くのだった。

 

母親がアイスコーヒーを2つ応接室のテーブルに置いた。
「フィル、なんかあったの?
また、お父さんに何か言われたのかい?」

 

フィルは瞬間的に
「なにも…」
と言って母親に心配かけないよう配慮したが、心の中はなんとも言えない気分だった。

 

「さて、フィル
どこから手をつけようかね。
あのアパートメントは…」
シャワーを浴びて、浴室から出てきたサイモンはフィルに問いかけた。

 

「父さん…
この件はまだボクには荷が重すぎるよ
だって住んでる人の中には、ボクが子供の頃に可愛がってくれたお爺ちゃんやお婆ちゃんも居るし…」
フィルは不安な気持ちをそのままサイモンにぶつけてみた。

 

「思い出すな…
お前の爺ちゃんからも、ある日突然アパートメントを渡されたものだった。それもほとんど空いてるボロアパートをな…」
サイモンは笑いながらフィルに言った。

 

いずれは父から受け継がなくてはいけないと思っていたが急過ぎるよ。
まだボクにはなんの準備もできてないのに…
フィルは何からすれば良いかさえわからなかった。

 

「フィル、俺もそうだったが何から手をつけていいか分からなかったら、一度このセミナーに行ってきなさい」

 

父からA4サイズの
『ドラゴンアパートメントセミナーin横濱』
と書いてあるチラシを貰った。
土曜日の午前中だったからスケジュールは空いているけど、ここに行って何をすれば良いのか?

 

「父さん、これはなんのセミナーなの?」
そう尋ねながらそのチラシをもう一度見たら、この間サイモンのところに見舞いに来ていたジョンレノンがスーツを着て写っていることに気づいた…

 

「なんだよ、このセミナーって、そして誰なんだよこの人は?」
フィルにもう一つ心配事が増えた。

 

HONESTY ALWAYS COMES FIRST